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【RASにおける収率(歩留まり)の考え方】
製品の使用原料の量を計算したり、単価を計算する時に、製品の生産の際の収率(歩留まり)は、重要な因子です。(以下収率と表現します)
この収率を設定するには、原料段階、生産段階、包装段階など、多くの場面での変化を考慮する必要があります。ここでは、RASにおける収率の考え方と設定方法について説明します。

【Ⅰ】収率の考え方

RASでは、「原料収率」「前処理収率」「部材別収率」「組立収率」の4つの収率を設定できるようになっており、それぞれの詳細は以下のようになります。

a.「原料収率」・・・個々の原料固有の収率で、それぞれにおいては一定の収率を示すもの
例えば、水煮缶詰に含まれる使用しない水部分や、冷凍エビの使用しない解凍時ドリップなどについて収率を設定します。
水煮缶詰に含まれる使用しない水部分が20%の時は、収率は80%となります。
逆に、スパゲティを茹でるような場合、常に一定の茹で方で吸水率が(対麺)40%の場合、収率は140%と置くことができます。
この場合も、製品毎で異なる場合には、前処理収率として設定しなければなりません。

b.「前処理収率」・・・個々の製品毎に個別の収率を示すもの
例えば、タマネギを事前に炒めて、これを製品に加える場合、炒め工程の収率を設定します。
100gのタマネギを50gまで炒めるとすると、前処理収率は50%となります。
個別の原料の目増し割合も、この前処理収率に加えます。
個別の原料の割合を厳密化しなければならないようなとき(表示する場合など)は、特に注意が必要です。

c.「部材別収率」・・・個々の製品(または部材)の主工程における収率
部材(部材は1つの場合は製品)全体で同じ数字を設定します。例えば、パンを焼く、汁を煮るといった工程の(部材)全体の収率を設定します。
例えば、餃子のように皮と具に分かれているときは、当然皮と具の収率は大きく異なりますので、それぞれを部材に分け、それぞれの収率を設定するようにします。

d.「組立収率」・・・主工程以降の最終製品に至るまでの収率
製品全体で同じ数字を設定します。例えば、検査用にサンプリングされる数量、包装ロスの数量などはこの収率に該当します。

収率を以上の4つに分解している理由は、その対象とする範囲が異なるからです。
「原料収率」は、個別の原料に対して、固有の数字として、共通な収率
「前処理収率」は、個別の原料に対して、個別の製品毎に設定する収率
「部材別収率」は、部材(部材は1つの場合は製品)毎に、原料に共通する収率
「組立収率」は、製品全体に、原料に共通する収率
となります。
これらの設定の結果として、個々の原料の全体(最終)収率は、
「原料収率」×「前処理収率」×「部材別収率」×「組立収率」
で表されます。


【Ⅱ】それぞれの収率の設定の仕方

a.「原料収率」
個々の原料に共通の数字ですから、資材台帳にデータを入力します。
資材台帳のフォームの右側にあるデータセルの「収率」の部分に、原料収率の値を入力します。
「%表示」になっていますので、%の値を入力してください。

b.「前処理収率」
個別の製品毎に異なる、原料の収率ですから、配合画面からデータを入力します。
配合画面の、各部材の、配合入力行のすぐ上にある列項目でオレンジ色になっているセル(デフォルトは「全体%」となっています)をクリックするとリストが現れます。その中に、「前処理収率」とうい項目がありますから、それを選択します。この状態で、各原料に対して必要な前処理収率の数値を入力します。デフォルトでは、すべての原料が100%になっているはずです。
「%表示」になっていますので、%の値を入力してください。

c.「部材別収率」
部材毎に設定する部材の収率ですから、配合画面の各部材に対してデータを入力します。
配合画面中段の灰色セルの部材データ入力部分にある「収率」の部分に部材集率を入力します。(セル番地:C8,M8,W8,AG8)
「%表示」になっていますので、%の値を入力してください。

d.「組立収率」
製品全体に共通する収率ですから、配合画面の上部共通項目入力部にデータを入力します。
画面上部左部部に「組立収率」入力のセルがありますので、その部分に入力してください。(セル番地:B8)