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日本食糧新聞 2007年1月31日号より
小中学校の給食が原因の食物アレルギー事故が年300件以上起きている。全国学校栄養士協議会(東京)と国立病院機構相模原病院(神奈川県相模原市)が実施した全国調査で明らかになり、読売新聞など全国紙で報道されて学校給食関係者がアレルギー対策を促進させている。内容は大旨次の通り。
死亡例はないが、発症した児童生徒の4・7%が入院、59%が医療機関を受診し、給食における食物アレルギー対策の重要性が浮き彫りになった。同協議会は食物アレルギーの子どもに対する給食の出し方などをまとめた対応の手引きを今年度中に作成することを決めている。
調査は02~03年度の2年間の事故について、全国の給食調理場を対象に実施。02年度は全体の約7割に相当する1万0190施設、03年度は9018施設から回答があった。集計の結果、2年間で637件の食物アレルギー事故が発生していた。夏休みなど長期休暇を除くと、1日1・5件以上の頻度で起きていることになる。原因食物は、果物類が20・3%で最も多く、7割がキウイ。エビなどの甲殻類が18・8%、乳製品11・9%と続いた。症状はじんましんなどの皮膚の異常が68・4%と最多で、呼吸困難などで命にかかわることもある「アナフィラキシーショック」が7・2%に現れた。
原因が判明した436件のうち、アレルギーを起こす食材が誤って混入していた例が142件(32・6%)、原因食材の除去対策をしていない例も39件(8・9%)あり、調理現場では十分な対策が講じられていないようだ。
同病院小児科の今井孝成(たかのり)医師(小児アレルギー)は「原因が判明した事故の約6割は、食物アレルギーと診断されたことのなかった子どもが発症している。こうしたケースは事前に予測できない。危険性について各学校に周知徹底を図る必要がある」と訴えている。
また、2006年2月17日付の食糧新聞にはこんな記事もある。
食物アレルギーの児童が増えている。『児童生徒の健康状態サーベイランス事業報告』によると、男子、女子ともに4%を超え、女子の方が少し多い傾向だ。学校給食の栄養職員の苦労のタネになっている。その原因食物の内訳では鶏卵、乳製品が目立つ。
(1)鶏卵 29% (2)乳製品 23% (3)小麦 10% (4)そば 6% (5)魚類 5% (6)果物 5%
食物アレルギーとは、特定の食品を飲食することで体内に取り込まれ、アレルギー状態が発生する免疫反応で、食品によっては、アナフィラキシーショックを発生して命にかかわることもある(特にソバが多い)ため、法律で、下記の成分を含む食品については特定原材料として、表示の義務付けや推奨が規定されています。(Wikipedia参照)
【表示義務のあるもの】
卵 乳 小麦 ソバ 落花生
【表示が望ましいもの】
あわび いか いくら えび オレンジ かに キウイフルーツ 牛肉 くるみ 鮭 鯖 大豆 鶏肉 豚肉 松茸 桃 やまいも りんご バナナ ゼラチン