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食品全般の履歴管理  新法制定へ記録保存を義務化  (2008年7月7日付け 読売新聞)

政府は5日、中国産ウナギの産地偽装事件などを受けて、現在は牛肉取引で導入しているトレーサビリティー(履歴管理)制度を食品全般に拡大する方向で検討に入った。消費者行政を担当する内閣府と農林水産省が、策定中の消費者行政強化のための「行動計画」に、トレーサビリティー制度などに関する新法制定を盛り込むことを協議している。新法制定は2009年以降になる見通しだ。 トレーサビリティー制度は、ICタグ(電子荷札)を食品につけるシステムを構築したり、事業者に販売記録の一定期間の保存を義務づけたりすることで、食品の生産から加工、販売までの情報を追跡しやすくする制度だ。 食品安全上の問題が発生した時に、関係者や流通経路を簡単に把握できることから、産地偽装防止のほか、食中毒や異物混入による健康被害の拡大防止への効果が見込める一方で、事業者にはコスト増への懸念もある。 政府は同制度を適用する食品の範囲をどこまで拡大するかも含め、詳細の検討を急ぐ方針だ。 同制度は欧州を中心に普及が進んでおり、日本ではBSE(牛海綿状脳症)対策のため、2003年6月に「牛肉トレーサビリティー法」が制定され、国内の牛すべてに10ケタの識別番号がつけられ、問題があったときに即座に対応できる態勢が構築されている。 行動計画は月内にもまとめられる予定で、同制度のほか、検疫所の食品衛生監視員の増員など約50項目の施策について実施時期を明記する方針だ。 国民生活審議会が3月末にまとめた報告を受けて、政府内で策定作業が進められていた。

食品の原料原産地、表示拡大を検討 農水・厚労両省 2008年7月28日

食品表示のあり方を協議する農林水産、厚生労働両省の「食品の表示に関する共同会議」は28日、日本農林規格(JAS)法では表示義務のない加工食品にも原料原産地の表示義務を広げる方向で検討を始めた。09年3月末までにアンケートや地方公聴会を企画して結論をまとめる。 JAS法で原料原産地の表示義務のある加工食品は、乾燥、塩蔵した水産物や農産物など生鮮食品に近い20食品群と、ウナギかば焼きや漬物など4品目に限られている。 共同会議は学識経験者や消費者団体、食品業界の代表ら計14人で構成。同会議は06年4月に「現制度を3年後に見直す」と結論付けていたが、中国製の冷凍ギョーザの中毒事件や、東京都が条例で独自に義務化するなど消費者の関心の高まりから、1年前倒して議論に入った。 一つの原料でも、食品企業が複数国から調達し、原産国が一定しない場合、国名ではなく「外国産」とする表示を認めるかどうかなど、複数国の原料を混ぜたり、調達先を切り替えたりする場合の原産国の表示方法を検討する。 冷凍食品やレトルト食品など海外でほぼ完成した状態まで加工されて、日本に輸入される中間加工品の原産国をどう表示するかも対象となる。 8~9月に農水省のホームページなどで意見や提案を募集し、今秋以降、地方で意見交換会を開いて消費者と生産者の双方の意見を聴く。

また、7月4日の記者会見において、JAS法の罰則強化についての記者の質問に対する若林前農水大臣の答えを次に載せておきます。

 食品表示偽装案件については、昨年来たびたび事案が発生していますが、今回のウナギの産地偽装は、その広がりといい、またその性格の悪質な状況といい、今までにないスケールのものだというふうに深刻に受け止めております。昨年からJAS法違反であるだけではなくて、不正競争防止法とか(刑法の)詐欺罪とか、そういうことの適用ということも考えられるわけですので、昨年来、警察との間で協定を結びまして、警察にもこちらの状況を通報し、警察と協力し合って的確に厳正に対処するという体制を作ってきたのです。今回は9件目です、警察とのすりあわせをしましたのは。そういう意味で警察がこれから捜査に入りますが、その警察の捜査については積極的に協力していくという姿勢でございます。なお、事案の中身は、警察が捜査の準備に入り現実に捜査を始めたということでありますので、私の方はこれ以上は個別の話については差し控えて、捜査に協力していきたいとこう思いますので、捜査に支障をきたす恐れがないように、コメントは差し控えるという姿勢でいきたいと思っております。それから関連して、これに関連して出てきているというかどうか、私も分かりませんけれども、もっと罰則を強化してJAS法自身に直罰の導入を図るべきだというような意見があることは承知いたしております。また自民党で小委員会を設けて検討してまいりましたけれども、その報告がまとまったと承知いたしております。その中でもJAS法の罰則の強化を図るべきだ、ということの指摘をしていると承知をいたしております。これについては、今までもいろいろとお話し申し上げてまいりましたけれども、我々は政府全体として、ご承知のように、既に消費者行政の一元化に関してどう進めるか、消費者庁の設置に関連してどう進めるか、ということについて報告書を取りまとめております。そこで、消費者庁の設置に向けて関係法令をこの秋の臨時国会に提出するということで作業を進めておりまして、その関係法令の中にはJAS法の改正も対象になっておりますので、そういう中で今の指摘についても検討をしていくということになると承知いたしております。